家族介護とうまく付き合うコツ
【高齢者や車いすを利用している方にとって雨は大敵‼】
こんにちは。昨夜は横殴りの雨で大変でしたが今日から数日は天気がいいようで安心です。
私たちにとっても雨は憂鬱ですが、高齢者の方にとっては憂鬱どころか、とても危険です。
足元が悪い上に、傘で手が塞がっているためもしもの時に受け身が取れず転倒してしまう可能性が高まります。
屋内は床が濡れて滑りやすく、特に転倒の危険性が高まります。
車いすで自走の方は両手がふさがるので傘ではなくカッパを着ることになりますし、手元は濡れているので滑りやすく、いつも以上に体力を持っていかれます。
私たちが何気なく歩いている道路や通路は思っている以上に凸凹や傾斜があり、車いすを利用している方にとってとても負担です。
介護者も足元に気を付けて介助しなければいけません。天気の悪い日にはできるだけ出掛けないことが1番ですが、どうしてもの用事の時は細心の注意をして出掛けましょう。
【家族介護は素晴らしいことだが身体的・精神的な負担も大きい】
話は変わりますが、要介護3、認知症の母親を自宅で家族介護している息子さんの話を耳にしました。
身体的にはお元気のようですが、認知症が重度ようで、その時々によって喜怒哀楽が激しく、ニコニコしていたかと思えば急に大きな声を出したり、夜中に自宅から出ていこうとしたりと息子さんが手を焼いているとのことでした。
トイレも行かせることが難しくオムツをずっと履かせている状態のようです。
息子様は自分の親だから自分で介護しないといけないと話しているそうです。そんな息子様はお母様思いですごく立派だと思います。
けれど頑張りすぎてしまうと、視野が狭くなり、いろいろなことを抱え込んでしまい、周囲から孤立してしまうことにもなりかねません。
そうなってしまう前に、介護サービスなどを利用して第三者の力を借りることも重要だと思います。介護のプロに任せることでうまく行くことや、認知症の症状を軽減や進行を緩やかにすることもあります。
実際、家族には抵抗や暴言を吐くけれど、他人や介護職員に対しては抵抗もなく穏やかに対応してくださる認知症の方を何名も目にしてきました。
家族介護はすごく負担が大きい上に、一人で24時間365日介護するには限界があります。それに加えて、介護者側に家族だからこそ生まれてしまう感情があります。
それは「昔はこんな母じゃなかった」「なんでこんなこともできないの?」「優しかった父が大きな声で怒鳴るようになった。こんなの私の知っている父じゃない」
長い年月一緒にいて、元気だったころのことを知っているからこそ生まれる感情だと思います。
認知症という病気がそうさせているとわかっていても、頭ではわかっていても人間には感情があり、理解しているつもりでもなかなか身内の場合だと割り切って介護ができる方は少く、客観的に見ることは難しいと思います。
終わりの見えない介護。体力面でも精神面でも疲れ切って家族が共倒れしてしまっては元も子もありません。
重度の認知症を患っている方も寝たきり状態になった方も、どんなご家族でも共倒れは望んでいないでしょうし、介護者の家族に必要以上の負担をかけることは望んでいないと思います。
長期間に及ぶことの多い介護は分担して行うことが両者にとっていいのではないかと私は思います。
【家族だけでなく、プロの力を借りることも一つの方法】
家族にしかできないこともあります。例えば、昔の懐かしい思い出話を共有しながら話すことは家族にしかできないことです。
昔のアルバムを見ながら「ここ行ったの覚えてる?」「新婚旅行で初めて飛行機に乗ったんだよね。」「この帽子気に入って出掛ける時はいつもかぶってたよね」など
過去の懐かしい思い出を語り合うことで脳が刺激され、精神状態を安定させる効果が期待できるといわれています。
この回想法は介護施設などで専門家の指導を受けながら行われることも多くありますが、長年連れ添ってきた家族だからこそ一緒に共感しながらできより深い思い出の話ができるのではないでしょうか。
けれど家族ではなく第三者がすることでスムーズにいくこともあると思います。介護のプロが行うからこそ、その方に残された能力を最大限活用しながらの介助が可能な場合もあります。
すべてを介助するのではなく、できないことを介助することで残された機能を維持することができます。すべてを介助してしまうと本当はできることもできなくなってしまうということもあります。
家族をご自身で介護するのはとても素晴らしいことだと思います。けれど、一人で頑張りすぎてしまうと余裕がなくなりいろいろなことが悪循環になるケースが多くあります。
そうなってしまう前に介護認定を受けられている方は担当のケアマネージャー(介護支援専門員)、受けたことがない方は市町村の地域包括支援センターや高齢福祉課、介護保険課などの専門職員に相談することで、
様々なアドバイスや必要だと判断された介護サービスを受けていただくという方法もあります。
一人で抱え込まないことが一番だと思います。