高齢者でもお餅を食べたい!そんなときには…
新年、明けましておめでとうございます。
旧年中はご愛顧を賜り、厚く御礼申し上げます。
本年も宜しくお願い申し上げます。
さて、みなさん年末年始はいかがお過ごしでしたか?
お正月に欠かせないものと言えば「お餅」。焼いても煮てもおいしいですよね。
しかし、高齢者がお餅を喉に詰まらせて救急搬送されるというトラブルが毎年発生しており、70代~80代の高齢者でお餅による窒息事故が多いと報告されています。飲み込む力が低下している高齢者は、お餅のようなくっつきやすいものはうまく呑み込めず、喉に詰まらせてしまうことがあります。
そこで今回はお餅を安全に食べる工夫やもしもの時の対処法をご紹介したいと思います。
お餅を安全に食べる工夫
大きいままのお餅は喉に詰まらせることがあるので、高齢者が食べる時には小さく切り分けましょう。目安としては、切り餅の場合4分の1に切ると良いでしょう。お雑煮やお汁粉の場合も小さめに切ったものを使用しましょう。焼き餅よりも煮たお餅の方がくっつきにくく、飲み込みやすいと言われています。また、食べる前には汁物や飲み物で口の中を湿らせることで唾液が混ざりやすく咀嚼しやすくなります。大根おろしを添えることでお餅の粘り気を軽減させることができるとも言われています。
普段問題のない高齢者でも正月に家族と集まり、楽しくてつい会話に夢中になってしまうことがあるので注意点です。会話に夢中になると食べること集中できず、よく噛まずに飲み込んでしまい、詰まらせるということもあります。
普段から食事に不安がある場合は代替餅で対応
お餅は通常のお米と比べて粘り気が強いもち米を使用しているため、もち米を他の材料へ代替することで喉へのくっつきを抑えることができます。お餅とは食感や味が違いますが、安全性を考慮した上でお正月気分を味わえます。「じゃがいも餅」は介護施設などでもよく利用されており、じゃがいもの代わりに里芋や長芋を使ってもいいと言われています。もち米と比べて白玉粉と粘り気が少なく、歯切れのよい団子になる白玉ぜんざいもおすすめです。また、最近では高齢者用介護食のお餅が通販や市販で売られているので試しても良いでしょう。
お餅を喉につまらせてしまったら…
もしも高齢者がお餅を喉に詰まらせた時には、呼吸ができるかどうかチェックしましょう。声を掛けて返事ができないときは気道に詰まった可能性が考えられます。こういった時には横向けに寝かし、咳をさせ、お餅を吐き出せるようにします。立っていたり座っている体制の場合は腰を折って前かがみになり、顔を低くした状態で肩甲骨のあたりを何度か叩くのも有効と言われています。左右の肩甲骨の真ん中を叩くとのどに詰まったものを吐き出しやすくなります。叩くときには手の付け根の堅い部分で強く何度か叩くと良いでしょう。
お餅を流すために水を飲ませる方もいますが、余計に奥の方に入ってしまうこともあるので避けた方が良いでしょう。また、掃除機で吸い出す方法は焦ってうまくいかないことが多く、逆に喉の奥に押し込んでしまう場合があるのでおすすめできません。高齢者がお餅を喉に詰まらせた時にはできるだけ素早く吐き出させるのが効果的です。もしも喉に詰まって意識を失ってしまった時には、ただちに救急車を呼びましょう。
まとめ
昔から日本ではお正月に雑煮や焼き餅を食べる習慣があります。
お正月にお餅を食べたいと思うのは高齢者も同じ、なかには「お餅を食べないと正月じゃない」という方もいます。
お餅を食べることは高齢者にとってリスクが高いですが、調理するときに工夫したり、代替餅にすることでリスクを軽減できます。安心して食べられるように工夫しましょう。
リスクを減らし、安心して高齢者にもお餅を楽しんでいただきたいですね。