帰省した時が親の小さな変化に気づくチャンス!
高齢になっても親には元気でいてほしいですね。
しかし、遠方で暮らしている子供は体調の変化にも気づきにくいものです。高齢になった親の今後の生活のことで多くの方が心配されているのは、認知機能の低下・物忘れなどの認知症だと思います。85歳以上にもなれば認知機能の低下に伴う暮らしの限界が出てくる可能性は高いです。
2025年には高齢者の5人に1人が認知症になると推計されており、早い段階で兆候を察知し、早期発見と対策が重要です。
コロナウイルスが日本に感染拡大してから二回目の年末年始が近づいています。
今まで帰省を見合わせていた方も12月現在は感染状況が低い水準に抑えられているので、久しぶりに帰省を予定している方も多いと思います。
今回は、そんな方に帰省時チェックしておきたい親の変化、認知症の初期症状に気づくポイントをお伝えします。
認知症の初期症状
物忘れ
同じことを何度も言ったり聞き返したりする
約束を覚えていられない、薬の飲み忘れが増える
同じ調味料がいくつも置いてある
火にかけていた鍋のことを忘れて焦がしたような痕がある
判断力の衰え、味覚の変化
収納や食器棚、クローゼットの中が定位置に置かれていない、明らかに違う物が入っている
整理整頓がこれまで通りになっていない、しまい忘れや置き忘れがある
ゴミ出しの収集日を間違えたり、できていないような気配がする
テレビ番組の内容が理解できなくなった、話のつじつまが合わない
以前と比べて料理の献立数が減り、料理に時間がかかるようになった
昔から食べている味、おふくろの味が明らかに異なる
性格の変化
親の性格が、歳をとって変わった気がする
いつもイライラして文句ばかり言う
口を開けば悪口ばかりで、たしなめたり、反論すると、ぶつかるばかりで一歩も引かない
話を聞かない、聞こえない、変化を受け入れることが難しくなる
老化症状の一つでもありますが、おっとりと穏やかな性格だった親が急に攻撃的になった場合は認知症の兆候であるとも考えられます。イライラする点だけでなく、もともと活発で趣味や外出好きだった親が、ふさぎ込んで何をするにも億劫がり興味を示さなくなり、人付き合いを避けるようになった場合も同様です。
認知症の兆候に気が付いたら…
認知症の可能性に気がついたらすぐに専門医の診察を受けさせることがおすすめです。
しかし、ストレートに言ってしまうと親を傷つけてしまうこともあるので注意が必要です。
認知症は軽度の場合、本人がその状況を取り繕うことがあります。それを取り繕い行為・反応といい、買った物を全部どこかへ隠したり、聞いても何も話さなくなってしまったりすることです。これらの行為は、周囲にはそんな状態であることを知られたくないという本人の葛藤から来ていると言われています。むやみに指摘すると傷つくでしょうし、みんなが集まる年末年始の場ならなおさらです。子供の立場では心配もあり指摘したくなるとは思いますが、まずは指摘せずに様子を見るのも一つの方法です。
認知症の兆候が疑われ、検査が必要と判断した場合、脳ドックなどを予約しておいて、「自分も検査することになったから付き合って」や「元気でいてほしいから、脳梗塞やくも膜下出血の予防も兼ねて脳の健康診断に行こう」などと誘うと親の立場としても一方的に指摘されるよりは受け入れやすいと思われます。
まとめ
親が高齢になってくると、自分の親は大丈夫だと思っていたのに帰省したタイミングで「あれ?なんとなく今までの親と違う気がする」と違和感を覚える方もいます。
そんな時には、今回ご紹介した認知症の兆候と思われる変化はないか一度確認してみてください。認知症で最も重要なのは早期発見を早期治療です。早期発見ができれば進行を食い止めることも可能で、早期から服薬を開始すれば、その分残っている神経細胞も多く、高い効果が期待できます。認知症は物忘れが主な症状ですが、小さな変化から認知症の始まりに気づくことで早期発見・早期治療につながる場合もあります。認知症は本人には自覚しにくいこともあり、早期発見には周囲の気づきが大切です。親のちょっとした変化を見逃さないようにしましょう。帰省する際には参考にしてみてください。